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【後編】『彗星』続編の可能性は大いにアリ!? 次回作の具体案もぶっちゃけてもらいました!
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クリエイター
既存の概念を覆すような自分にしかできないものを作っていきたい。
―『彗星』は今回4話で完結しましたが、HiROKiさんが作っていくもので、今後バジェット(予算)的にも、規模的にも大きくなってくる/していきたいというビジョンはありますか? ありますね(キッパリ)。ただ、単にバジェット規模を大きくするだけだと既存のものと変わりがなくなってしまう、という心配はあります。それであれば普通の制作会社やテレビ局が作るものと同じなので、やはり今の時代やメディアに親和性があるというか、少ない予算で大量に面白いものを作るにはどうしたらいいんだろう? とか、僕はそっちを考えます。たくさんの規模やお金、人を多くして良いものを作れるのは当たり前だと思っているので、「そこじゃないな」というのは今、僕の中にあります。
― 単に「ドラマを撮りました。順番に公開します」というフォーマット自体を変えていく可能性もあるということですか?
そうですね、あとは既存の概念を覆すような形ですよね。1本あたりこの値段、このクオリティで出してくるか! というラインが。生産性を異常なくらいに高めるとか。
―『彗星』を観て、今後ドラマをメインに作っていくYouTuberなどが出てくる可能性もありますよね。2~3人、もしくは1人で低予算で作るという。
もちろんです。劇団スカッシュという方がいて、日本だとそれくらいかなという感じですね。海外にはたくさんいるんですが。でも、それを日本でやるのは結構難しいなと思っています。そういったリッチなコンテンツを定期的に作って、コンスタントに出していくのは難しいので、そこをどう巧くやっていくか? というところは今、僕も考え中です。そこがキーになってくるとは思いますね。
YouTubeで見やすいように。勇気を出して、あえてものすごく単純に。
― キャスト4人の中で一番、演技が上手くて“おまかせ”でできたのは誰ですか?
……瀬戸さんですかね(笑)。
― 素のキャラクターとのギャップが一番大きい/小さい人は?
ギャップが大きい人……という面で言うと、みきぽんはやっぱりスゴいなと感じました。フィッシャーズ(ぺけたん&ンダホ)には演技してもらっていますが、本人の部分も残っているな、と思えるところはあるんです。でも、みきぽんはカチッとスイッチが切り替わるので。
― もちろん、あんなキレキャラではないわけですよね。
違いますね(笑)。いつもは楽しく、ケラケラしています。
―『彗星』の脚本を作るにあたって、具体的に思い浮かべていた過去の作品や映画、ドラマなどはありますか?
画的な雰囲気でいうと、過去に自分がお仕事でご一緒したことのある監督さんを最初はイメージしていました。「あの監督さん、どう撮ってたっけ?」と思いだしたり。助監督時代に進行などを間近で見ているので、「あの監督さんだったらどうしていただろう」ということを考えつつ作っていた、というのが一番ありますね。
― 具体的な作品というよりは、「あのシーンはこういう風に撮っていた」とか?
もちろん、ある程度はバンドものの邦画、例えば『ソラニン』とか『ROCKERS』『BECK』などは参考程度に観ました。あと、今回は複雑になりすぎないようにだけは気をつけましたね。いたってシンプルで分かりやすいものに。
―「これ誰だっけ」とはならないように?
そうですね。観ていただいているのが若い方だったり、YouTubeで気軽に観る方が多いので。もちろん複雑な人間模様を描いたり、難しいこともできなくはないのですが、今回はあえて外しました。「なんか話つまんねえじゃん。単純じゃん」と思われるかもしれませんが、そこは勇気を出して、あえてものすごく単純に。ダメだった少年が音楽をきっかけにすごく心情が変わって前向きになる……みたいな、それだけでいいやと。そこをブレさせないように。でも、それも意外とツラくて、もっとひねりたいとも思いましたけど(笑)
2時間もののドラマが作れるくらいには考えてあるんです。それぞれのバックストーリーとかもあって、「瀬戸弘司はどういう過程でここに来て、この後こうなって……」っていう。でも、難しいところは全部そぎ落としました。わざと深みを消すというわけではないですが、ちょっとライトに、YouTubeで観やすいようにしたくて。
― それはスマホで観ている人が多いという部分が大きいですよね。
視聴者層が若いこともありますし。決して偉そうな感じではなくて、何も考えずにパッと観て「面白かった」と思ってもらえるには、簡単にしたいなと。
― まず、もともと興味がない/知らない人に「ちょっと観てみて」と言う時に、サクッと観てもらえるボリューム感ですよね。視聴者からは「もう終わりなの?」といった残念がるコメントも寄せられていました。
良かったです(笑)。ちょっと物足りないくらいが良いのかもしれませんね。
― 本当は盛り込みたかった、ひねりたかったところをあえて外したとおっしゃっていましたが、今後それらを全部盛り込んだ『彗星』の続編の可能性は? もしくは具体的に“次はこんな感じで”というビジョンはあったりしますか?
『彗星』の続編というか“完全版”みたいなものを作るとしたら、間逆のものになると思います。人間性がすごく出ていたりとか、「あれ、前に観たものほどライトじゃないぞ?」みたいな感じにはしたいと思っています。
― それぞれを主人公にした、スピンオフ的なものが作れるくらいの?
観ている方は性別も年齢も、立場も違うと思うんです。そんな人たちそれぞれが、誰かしらに感情移入できるような設定にはしています。例えば「自分ならこの瀬戸さんの気持ちがすごくわかる」とか「私はみきぽんのこの気持ちがわかる」とか。そういった、しっかりとしたもので望みたいなとは思いますね。
― 今回あえてそこを見せていないということは、もう続編はあると思っていいですか……?
僕の中では作りたいと思っています(笑)







